フィラリア症はとても怖い病気です。 フィラリア(犬糸状虫)が蚊の媒介によって、犬の心臓や肺の血管に寄生して、血液中の栄養分を吸い成長していいます。 ソウメン状で、長さが15〜28cmくらいの寄生虫です。
フィラリアの寄生によって、心臓や肺、肝臓や腎臓などさまざまなところで異常が起こります。 症状は慢性症と急性症とがあります。 慢性病がほとんどで、フィラリアの寄生と、分泌物や排泄物により起こる肺高血圧症が主な原因となって、二次的にいろいろな症状が起こる心臓病となります。 心臓の機能が不十分になり、臓器がうっ血状態になります。 進行すると、お腹や肺に水が溜まってくる腹水、血尿、貧血、痩せる、ゼーゼーと荒い咳をする、失神するなどの症状が起こります。
急性症は、大静脈症候群とも呼ばれ、慢性経過の中でフィラリアが移動することにより、血尿、呼吸困難、虚脱などの循環不全といった激しい症状が起こります。 この場合、早期治療を受けないと、数日間のうちに死亡することが多いです。
フィラリア症の予防には、内服薬と注射があります。 一般的には内服薬で、1ヶ月に1回飲ませる薬です。これだけで怖いフィラリア症が防げるのです。 これは毎年蚊が発生する月と前後月に飲ませる薬です。 一般的には6月〜11月の7ヶ月間毎月飲ませます。 地域によって多少月のズレがあります。かかりつけのお医者さんの指示に従ってください。
この内服薬は、万一感染した幼虫(ミクロフィラリア)に対してほぼ100%の殺滅効果があります。 15〜60日前に犬の体内に入った感染幼虫を殺滅してくれます。
ここで重要な注意点があります。 犬が既にフィラリアに感染していた場合、それとは知らずに内服薬を飲ませると、心臓に住みついているフィラリアが一気に死んでしまうので、その死体が血管につまって血流が止まってしまうなど、大変危険です。 ますは、必ずフィラリアの検査を受けてください。 手遅れになると愛犬がもがき苦しんで死んでしまいます。
万一検査の結果フィラリアにかかっていたらお医者さんの指示に従い治療をしてください。 症状の程度にもよりますが治療にかかる期間が長く根気が必要です。 正しく治療すれば必ず治ります。
子犬の時から育てている犬でしたら、内服薬を飲ませていればフィラリア症にはかかりません。 最初が肝心です。
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